野獣よ暁に吼えろ 17
野獣よ暁に吼えろ 17
暗い山道を登っていく。月の明かりは木々にさえぎられて地面まで届かない。手に持った懐中電灯だけが頼りだった。
山小屋が見えてきた。山を管理するために、夏場に県の職員が使っている小屋だが、今は無人だ。
小屋の前で、聡子は立ち止まった。手に持った重箱はまだ温かかった。意を決し、ゆっくりと小屋へと近づいていく。
入り口の戸に手をかけると、軋んだ音を立ててゆっくりと開いた。途端、ホコリとカビの入り交じった饐えた匂いが鼻をついた。
その臭いに混じって、濃い瘴気の臭いが混じっている。
「聡子です」
室内は真っ暗だった。聡子は入り口の横の柱に手を伸ばし、手探りでスイッチを見つけて入れた。部屋の明かりが灯る。人工的な明かりは、部屋に立つ一つの人影を浮かび上がらせた。
「お食事を持ってきました」
手に持った重箱をテーブルに置いた。顔を上げてぎょっとした。目の前に凶暴な目を向けた男が仁王立ちなって、聡子を見下ろしている。
男が聡子に飛びかかった。
「きゃあああああああ!」
悲鳴をあげる聡子を、押さえつけ、男がのしかかってきた。男は下半身裸だった。巨大なペニスが鎌首を持ち上げ、聡子を睨みつけている。
聡子を床におさえつけた男が、馬乗りになり、聡子のブラウスを引き裂いた。裂ける音がして、薄いブラウスは無惨に引き裂かれた。白いブラジャーに包まれた乳房が露になった。
「な……なにをするんです!」
男はかまわず聡子のスカートと下着を一気に剥ぎ取った。聡子の悲鳴が部屋に響いた。聡子の足の間に腰を割り込ませ、腰を突き出して挿入した。
「あっ! あああ! くぅぅぅ!」
腰をつかまれ、左右に振られ、弧を描くように回される
「あ……あ……あああああああ……」
秘部からとろけるように蜜をふきこぼす。乱暴に扱われると、たまらなく燃えてしまう性癖が聡子にはあった。苦痛とは違う、甘い感覚がにじみ出て来るのを、聡子自身どうしょうも出来ないでいた。
「う…ん……んっ!……んん! あっ!も……もう……お願い! お願い!」
聡子が必死に叫ぶ。 ぐいっと上体を起こされ、結合したまま、両手を前に回す。掌がぐぐっと絞られ、指が聡子の白い乳房に食い込む。豊かな乳房が悲鳴をあげるように歪み、醜く上をむいた。
「あああ! うううう!」
ぐぐう!と聡子の体の中で、男のペニスがより固くより熱くなるのを感じた。男の思ったように反応する感じる体。過去の男にそういわれたことがある。
「あ……あ……」
激しく腰を突き上げながら、乳房を指で責めながら、男は満足気に、のけぞる聡子の首筋に舌を這わせた。たっぷりと腰を動かし、男は臭い息を吐いた。
男は聡子をうつぶせにすると、聡子の腰をつかんで浮かせた。聡子が自分から尻を突き出した。男は聡子の尻の前で脛立ちになると、後ろからペニスで聡子を貫いた。
「あああああっ!」
バックで結合したまま、抱えられる。 足を開かれ、足が床から離れた。 ガラスに、自分の裸身と、男に貫かれ、怪異な堅いモノが出し入れされる局部が丸見えに映し出される。
「あ…あああ! イヤっ!」
しかし、体は反応していた。熱いだけの局部に、たくましい男の局部が打ちつけられる度、体の奥が収縮し、それを包みこもうとしていた。
「オオオオオオ!」
激しく腰を使っている男が、獣のような声で吼えた。
聡子はただ、叩きつけられる下半身の律動に喘いでいた。
「ああ! ああああああっ!」
聡子は叫んで、のけぞった。 健康的な脚が、大きく弧を描いていた。黒い褐色の肌の巨漢に抱えられ、剥き出しの局部に巨大なペニスが出し入れされる。
「あ……あああああ……あああ」
聡子の声がかすれる。喉もとに舌を這わされながら、下からは男の特大のペニスで突き上げられているのだ。からみあう浅黒い肌と白い華奢な体は、まるでおぞましいオブジェのようだった。
突かれる度に、声をあげる聡子。 男は激しく乳房を揉み、舌で乳首を舐めあげた。
「あう! あああああ! ああああああ!」
まるで鋼でできた機械のように、巨大なペニスは突き上げ続ける。聡子は汗だくになり、涙を浮かべて首を激しくふった。 男の舌技で濡れ、狂おしいまでに上をむいて勃起するピンクの可憐な乳首は、男の唾液で濡れ、鈍く光っていた。
激しく出し入れされ、激しく収縮する聡子の女の部分。そ男の指先が、の上に大きく膨らんだ核に触れる。
「ああ! ああああっ! ううう! ひぃ!」
奥と陰核、同時に責め上げられる。
「ああああ! うう! ああああああ!」
聡子は悶絶した。男の動きが一段と速くなる。聡子が叫ぶ。意識は朦朧として、自制という言葉など吹き飛んでしまっていた。
「ああああああっ!」
聡子は汗を飛び散らせ、咆哮した。M字にひらかれ、自分の足首くらいの大きさはあろうかと思うほどの太いペニスを食わえ込んだ股間が激しく痙攣した。閃光が走り、目の前がまっ白になった。
次の瞬間、大きい固い塊が、さらに大きくなった。
「うおおおおおぉぉぉ!」
熱いものが聡子の胎内に放出され、奥底まで汚すのがわかった。
「ああああああああああっ!」
聡子は叫んだが、それが声になったかわからなかった。
どれくらい気を失っていただろうか。
聡子が目を覚ますと、裸のまま男が重箱の中身を胃に流し込んでいた。部屋の中に男の体臭と聡子の女の匂いが充満している。
けだるい体を起こす。男が振り向いて聡子を見た。聡子の体の奥底にある、聡子自身その存在を知らなかった性獣を呼び覚ました男だ。
「代貸し以外に男がいたのか」
四年ぶりに、この男が話すのを聞いた。股間から男の放った精液の匂いが立ち上ってくる。
「相手は誰だ」
「男なんて、いません」
男にぎろっとした目で睨まれ、聡子は身を縮めた。凶暴な目に、背筋が冷たくなる。宗田義光。須田一家の親分である父、須田安之助ですら恐れる男だ。
「東京から来た若い連中か」
聡子は息を呑んだ。ただ凶悪なだけの野獣ではない。この男は頭脳も切れる。この凶暴な男と四年も一緒に住んでいたのだ。聡子は誰よりも義光のことを知っている。
「あの人たちは関係ありません」
義光が圧し掛かってきた。悲鳴を上げて逃れようとする聡子の両足をつかんで広げると、股間に顔を近づけた。精液が滴り落ちる聡子の性器の匂いを、しきりに嗅いでいる。
「男の匂いがするじゃねえか」
「それは……あなたのです」
「違う」義光が顔を上げて聡子を睨んだ。「俺の匂いだけじゃねえ。代貸しのものでもねえ。もっと若い男のものだ」
義光の目が不気味に光る。聡子の全身に鳥肌が立った。