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治療法なし! 感染したら脳を喰われる! 日本にいる危険な寄生虫 アライグマ回虫

治療法なし! 感染したら脳を喰われる! 日本にいる危険な寄生虫 アライグマ回虫


日本人と寄生虫

下水道がほぼ100%整備され、衛生管理が十分行き届いた世界有数の清潔な国となった日本。
今の日本では寄生虫に感染する火著は少なくなりました。
しかし、一昔前まで、寄生虫は日本人にはなじみの深い存在でした。
誰もが腹にぎょう虫を飼っていて、昔の日本人は8割の人がぎょう虫持ちでした。

衛生的になった今の日本では、寄生虫に対してかなり無防備になっていますが、実は今もその危険性はなくなっていません。
ペットブームや新しい食習慣の流行、地球規模での激しい物流など、日本人の生活が大きく変わる中で、これまでは知られていなかった寄生虫が人間に感染し、猛威を振っているのです。

そこで、どんな寄生虫がいて、どういうルートで人に感染するのか、知っておくことが寄生虫の感染予防につながります。


日本人の生活を脅かす外来生物

アライグマは北米原産の哺乳類で、元々日本にはいませんでした。
っしかし、1980年から2000年頃までは日本でペットとして人気が出て、北米より多数のアライグマが輸入されました。

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しかし、アライグマは成長すると凶暴になって手に追えなくなるため、多くの飼い主が飼いきれなくなり、野外に逃がしたのです。
そのため、日本のあちこちでアライグマが野生化し、今も増え続けています。
現在、沖縄を除く46都道府県すべてで、アライグマの繁殖が確認されているのです。
現在ではアライグマの輸入は禁止されています。

野生化したアライグマは田畑の作物を食い荒らしたり、鶏を襲ったりする害獣として、駆除の対象となっています。





アライグマ回虫

いわゆるヒト回虫は、日本人にはなじみのある寄生虫でした。
今でも全世界の10億人以上が感染しているといわれていますが、この寄生虫でひどい症状になることはほとんどいません。

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しかし、アライグマに寄生して北米から日本に入ってきたアライグマ回虫は、非常に危険な寄生虫なのです。

ヒト回虫は、腸に寄生し、下痢や食欲不振を起こす場合もありますが、深刻な症状になることはありません。
しかし、アライグマ回虫は人間に感染した場合、脳に達して急性障害を発生させ、最悪の場合、死に至らしめます。

そのうえ、アライグマ回虫症には治療薬がなく、感染すると、命が助かったとしても失明したり、麻痺などの後遺症が残る場合もあります。


アライグマ回虫のライフサイクル

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成虫が産卵した大量の虫卵は、糞便を通じて外界に放出され、約2~3週間で感染力を持つ幼虫包蔵卵まで発育します。
この「感染幼虫包蔵卵」をアライグマではなく、ヒトやネズミ、ウサギ、鳥類などが経口摂取すると、幼虫が急速に成長しながら体内を移動します。
特に、眼および中枢神経系に移動して幼虫移行症を引き起こし、重篤な脳神経障害の原因になることが知られています。

北米では、アライグマの糞で汚染された土や物で遊んだ子どもたちが寄生されることが、今も大きな問題となっています。

アライグマ回虫に感染したアライグマは、毎日数百万もの虫の卵を排泄します。1年365日、数億の卵をたった一頭のアライグマが排泄するのです。
しかも、虫卵は非常に生命力が強く、数年間にもわたって生き残ります。
その上、 ほとんどの「消毒用薬剤」に対して抵抗性があり、 これを不活処理する方法は加熱、 焼却以外には無いため、 森や池などの自然環境が ひとたびアライグマ回虫卵で汚染された場合、 その完全除染は極めて困難です。

そして、ふとしたきっかけでヒトが虫卵を摂取すると、感染するのです。

幸い、日本ではこれまで人間への感染例は報告されていませんが、野生化したアライグマからアライグマ回虫が見つかっています。

アライグマの住んでいる場所に近寄らないこと、土に触れたら良く手洗いをすることが、予防には重要です。

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