小説のテーマ(1)
小説を書いている人、あるいは書こうとしている人の多くは小説の書き方について指南した書物を読んでいることと思います。
そんな小説作法の指南書を覗いてみると、小説を書き始める前に「テーマ」を決めろと必ず書いてあります。
「テーマ」という言葉はよく聞くけれど、どんなものかと問われてうまく説明できる人は少ないでしょう。
たしかに、小説にとって、テーマは大切なものです。
だからといって、無理に小説のテーマを決めようと肩に力を入れる必要はありません。
「テーマ」を、文言をもって説明できるようにする必要はないのですから。
そもそも「テーマ」というものは「決める」ものなのかどうかは疑問です。
書きたい事柄がありペンを取る。その時点で大なり小なりその小説はテーマを持っているはずだからです。
無理にテーマを決めようとすると、これから書く作品そのものを型にはめてしまうことになりかねません。
同様に、これから書く作品を、純文学にするかとか、エンタメ(大衆・娯楽)小説にするかといった、型にはめて考えるのもやめたほうがいいでしょう。