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処女の秘孔は蜜の味 11



11 女友達の決意

 学校の帰り道、人気のない公園のベンチに座り、銜えたタバコに火をつけた。
 タバコの煙が風に流されていく。今日で十八歳になった。タバコを吸っても咎められない歳だが、在学中の喫煙は一応校則で禁止されている。もっとも校則など気にかけたことなどないし、それどころか普段から禁制品のマリファナをいつも吹かしている。
 やがて、海外ボランティア応募用紙という名の召集令状が来るだろう。それまでは好きにさせてもらう。
 仲間二人を殺した犯人を治安会が血眼で探し回ってると、叔母の芳江から聞いた。叔母の店には裏社会のいろんな情報が入る。
 祥子が辰雄のことをしゃべるとは思えないが、相手はやくざだ。脅しに拷問。男も知らない十六歳の小娘の口を割らせるなど簡単だろう。かといって、祥子を殺す気にもなれなかった。
 裏社会で生きていくには、俺は優しすぎる。
 辰雄はタバコの吸い殻を地面に落とし、靴で踏みつぶした。
 マリファナの密売も難しくなってきた。父親が残してくれた大麻草の種子。植える場所や手入れの仕方なども教わった。十分稼がせてもらった。そろそろ潮時ということだ。
 しかし、祥子のあそこって、本当に蜜みたいに甘いのだろうか。
 部屋に戻ると、部屋の中に誰かがいる気配がした。
 エリカはもう大陸に渡ってしまった。
 まさか、治安会か。
 上着のポケットからナイフを取り出し、刃を立てる。足首にもナイフをベルトで留めている。
 勢い良くドアを開け、部屋に飛び込んだ。
 女の悲鳴が響いた。
「お前、ここで何をしている?」
 床に腰を下ろした綾香が、血の気が失せた顔を向けている。
「入っちゃ、だめだったの? だったら、鍵くらいかけとけ」
「鍵がかかっていないからといって、勝手に入っていいってわけじゃないぜ」
 綾香がベッドに座った。スプリングの軋む音が部屋に響いた。
「エリカがいなくなって、寂しがってるかなって思って。学校でも元気ないし」
「なんだ、やらせてくれるのか?」
「あんたには新しい女、いるじゃない」
「あいつはそんなんじゃない」
 祥子がこの部屋に来るようになった。エリカに辰雄の面倒を見てくれるように頼まれたと言っていた。エリカに面倒を見てもらっていたのは性欲処理だけだ。エリカがどういうつもりで祥子にそんなことを言ったのか。
 祥子は部屋を掃除したり手作りの料理を持ってきたりしてくれるので、正直、助かってはいるのだが。
「あ、そうだ、来たよ」
「何が?」
「海外ボランティアの応募用紙」
 綾香を見た。彼女が今にも泣きそうな目で辰雄を見ていた。
「来月卒業でしょ。すぐに市役所に来て欲しいって。仕事も決まってるのに、本当に迷惑」
 一応志願制だが、さまざまな理由をつけて強制的に連れて行かれる。政府には歯がゆい憤りを感じるが、誰も何も出来ない。まして綾香はただの女子高生だ。
 綾香が突然うつむき、泣きだした。
 恐怖で震える体を鎮めるように、両手で体を抱いている。
「今日は帰りたくない」
「えっ?」
 綾香が辰雄に抱きついた。
「そ……それって……」
「今日はあの子、こないんでしょ?」
 綾香に押し倒される形でベッドに沈み込んだ。
「お前なあ……」
 彼女が前髪を掻き上げる。彼女の顔が思った以上に近くにあるのに気付いた。それがどんどん近付いてくる。辰雄は目を逸らさずに待った。
 重なった唇はすぐに離れて、綾香はとろんとした表情で辰雄を見つめた後、また唇を合わせてくる。
 舌を差し入れてくる。「んっ……」と甘い声を洩らした綾香は、普段の彼女にはない積極さで、辰雄のシャツのボタンに指を掛けてくる。
 下半身に熱が集まっていく。
「やる気になってるじゃん」
 どうやら気づかれたようだ。
「あの子とやってないの?」
「そういう仲じゃないって言ってるだろ」
「じゃあ、溜まってるんじゃん」
「右手がある」
「馬鹿」
 冷や汗でシャツが湿っている。
「アメリカ兵にやられる前に、あんたとやっとこうって思って。黒人並みだってエリカが言ってたから。私しばらくやってないから、練習しとかなくっちゃ」
 思いつめたような表情で見つめてくる。彼女の頬を撫でた。
「あんたを嫌がってるようじゃ、向こうに行ってもやってけないじゃん」
 辰雄が手を伸ばして、綾香の制服を頭から抜いた。ピンクのブラをつけている。大きな乳房。エリカと同じくらいある。
 彼女から全て剥ぎ取ると、なめらかで女らしい裸体が現れた。程よい肉付き、柔らかな張りのある肌、豊満な胸とその大きさに相応しい腰つき。
「ずるいよ、わたしだけ……」
 彼女がそう言って辰雄のシャツに手をかけてくる。辰雄は自らシャツを脱いだ。
 下着ごとズボンを下ろした。下股はすでに硬く熱くなっていた。
「大きいね。あの子に聞いていた通り」
 辰雄が綾香の胸に吸い付いた。
 ひたすら指と舌で綾香の中をかき回し、突起を吸い、ひっかいては噛んだ。その度に彼女は悲鳴に似た喘ぎを漏らした。
 腰をよじって逃げようとするのを押さえつけ、強制的に快感を送り込む。絶頂の寸前に刺激を止めては、また刺激して追い詰めていくの繰り返し。
 息も絶え絶えの綾香を、狂った様に犯し続けた。意識が朦朧として声も上げられなくなった彼女の上で腰を振ってひたすら貫き続けた。

 朝の光が差し込む寝室。学校に行く気になれない。腕の中で、綾香が寝息を立てている。結局、一晩中、綾香を犯し続けた。
 目を覚ました彼女と目が合った。
「寝起き顔なんて見ないでよ」と言って、布団に潜り込んだ。
「服を着ろ」
 辰雄がベッドから飛び降りた。何事が起こったのかと、彼女が訝る目を向けてくる。
「服を着るんだ」といって、床に落ちていた下着をベッドに放り投げた。
 綾香をマスタングの助手席に放り込み、運転席に座ってアクセルを踏み込んだ。強烈な加速で、体がシートに押し付けられる。
「無免許なんでしょ? 目立つ運転しないほうがいいよ」
「どうってことはない。いつものことだ」
 倉庫に車を停め、隅の床を持ち上げると、彼女が目を丸くした。
「ここ、どこ?」
「秘密のアジトだ」
 地下室に降りてトイレの壁のタイルを外すと、綾香を呼んだ。隠してあった札束を見て、綾香が目を丸めた。
「ここは死んだ父親の持ち物で、誰も来ない。戦争が終わるまでここに隠れていろ。金を稼ぐなら、隣の店で働け。俺の叔母の店だ。面倒を見てくれる。話を通しておいてやる。それに、金が必要ならこいつを使ってくれていい。三千万ある」
「これって……」
「エリカに使うべきだった。そうすれば、あいつが大陸に行くことはなかったかもしれない。これでも後悔しているんだよ」
 潤んだ目を向けている綾香を見た。
「俺は絶対にお前に諦めさせない」


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