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愚かな毒鼠どもの眠れない夜 1



1.腐った街の鼠たち

「このボケェェがぁぁッ!」
 怒りで顔面を赤銅色に染めた沖島が、明の腹に拳を叩き込んだ。明が海老のように背中を丸め、地面に嘔吐する。
「ふざけんじゃねえぞぉぉッッ、俺たちは遊んでんじゃねえんだよぉぉぉッ! ああぁッ!?」
 沖島が明を殴りつづけるのを、祐輔は黙って見ていた。
「怖くなったから嫌だと? 何言ってんだよぉぉぉッ! ああぁッ!?」
 沖島の首筋の筋肉が強張る。顔面には脂汗がぬめついていた。
 タタキ、いわゆる強盗の仕事を断って逃げ出した明の居場所を探り出したのは沖島だった。こんな度胸のないバカな男はリンチを加えて性根を叩きなおすしかない。
「ず、ずいばぜん……れ、れも、俺、怖くてぇ……」
「はあ? お前、やるっていったよなぁ?」
 醜貌をさらに歪ませながら、沖島が明の顔面に唾を吐き捨てた。
 苦痛に腹部を押さえ、うめく明の横顔──沖島の容赦ない拳が飛んだ。
「ふざけんじゃねえぞ! いいかっ、三日待ってやるから金とってこいやぁッ!」
 髪の毛を引っつかみ、何度も揺さぶりながら明の耳元で沖島がわめく。唾が頬に飛んだ。
「わ、わがりまじだぁ……」
「わかりゃいいんだよ。いいか、どんな手使ってでも金取って来い!」
 沖島が明の女の方を見た。
「な、何よ」女がそっぽを向いている。
「明に止めるよう唆したの、お前だろ?」
 沖島は女を睨むと、ポケットに手を突っ込み、ナイフを取り出した。
「何……? そんな物騒なもの持って。仲間に言うわよ」
 沖島の顔が引きつる。この女は沖島のような男に言っていいことと悪いことがわからないらしい。
 女は半グレグループとつながりがあるのを自慢していた。明を唆したのも、自分たちのグループに引き込むためだろう。
 沖島はナイフを握った拳を女めがけて振り下ろした。
 女が泣き叫ぶ。周りの男たちはにやにやしたまま、黙ったまま見ている。
 こいつらには反吐が出るぜ。
 祐輔は煙草をくわえ火をつけた。
「女も同罪だろ?」
 沖島が薄く笑う。
 女の髪をつかんで引きずる。女が悲鳴を上げた。
「お前ら、この女、好きにしていいぞ」
「い……いいんスか?」
「俺らに舐めた真似したらどうなるか教えてやれ」
 先頭に立っていた男が女の腕を掴んだ。女の悲鳴が響くが、周囲に人気のない倉庫群。誰も助けに来ない。
「あ、あうう……。ひうう……」
 女が言葉にならない声を出す。男たちが下品に笑う。
「ぶははっ! お前、最高だわ!」
 興奮した男は女を抱きすくめ、床に倒れこんだ。他の男たちも女に襲い掛かっていった。ひとりが女の腕をつかんで抑え、もう一人が女の服を剥がしていく。
 女がカラダをくねらせながらもがくが、三人の男に抑え込まれ、びくともしない。はぎとった下着を女の口に押し込んで塞ぐ。
「じゃあ、俺からだ」
 リーダー格の男が女に覆いかぶさっていった
「んッ! んッ! んッ!」
 女が暴れる。それを見ている沖島が眉を上げた。
「姉ちゃぁん、女はおとなしい方がカワイイぜ?」
「んッ! んッんッんッ!」
「そう騒ぐなよ。優しくしてやるからよ」
 そう言って、女のスカートに手を入れて下着を剥ぎ取った。
「おお? すげえ濡れてるジャン」
「なんだよ、やる気満々じゃん、この女」
 男が女の太腿の間に割って入り、勃起したペニスに唾をつけて少女の膣にあてがった。女は必死で抵抗するが、男が構わずに下半身を突っ込んだ。
「うおおおおっ! あったけえ! こいつ、結構締まってるぜ!」
「中を汚すな! 外に出せよ!」
「知らねえよ、そんなの」
 沖島が女を犯す仲間の姿を見て笑っている。
 男が女の中に精液を吐き出した。
「外に出せって言っただろ!」
 次の男が入れ替わりに女に突っ込んだ。女はいつの間にか暴れるのを止めて喘いでいた。
「おおおおおっ!」
 男が叫んで女の中で果てた。ペニスを抜いたとたん射精して女の股を汚した。
「なんだよ、お前らもう終わりか? 二人で十五分も持ってねえじゃねえか」
 次の男が女に近づいた。終わった男たちの股間が、情けなく萎えてだらりと垂れていた。
「大丈夫。俺がこいつらの責任をとってやるから」
 そう言って、パンツごとズボンを降ろした。
 隆々といきり立った逞しいペニスが天を向いていた。すでに臨戦態勢になっている。
 三人目もすぐに終わった。満足そうにパンツごとズボンを引き上げている。女はぐったりとしたまま、身動き一つしない。
「次はお前が犯れ」
「いや、俺はいいっすよ」
 祐輔が吸い終わった煙草を地面に捨てた。
「つべこべ言わずに犯れってんだ」
「こいつらのザーメンで汚れたマンコに突っ込むなんて嫌ですよ」
 沖島が祐輔の胸ぐらを掴んだ。
「てめえの意見を聞いてるんじゃねえんだ。俺は女を犯せといってんだよ」
「嫌っす」
 沖島の拳がこめかみを直撃した。
 鼓膜がキンキンと痛み、こめかみが震えた。
「あんまナメてんじゃねえぞ、お前」
 肩で息をする度に、沖島の吐き気を催す糞のような口臭が鼻腔を襲った。
 沖島が髪の毛を引っ掴んで、また拳を振り上げた。拳が顎に当たった。唇が切れた。脳が振動した。一瞬、目の前が暗転した。鉄錆の味が口の中に広がっていった。
 祐輔が沖島を睨みつけた。沖島が身じろぎする。
 ビビってんじゃねえよ、腰抜けが。
 沖島の腕をつかみ、引っ掴んだ髪の毛を離した。
「てめえ……」
 沖島がナイフをポケットから取り出した。
「沖島さん、そのくらいで……」
 男の一人が割って入った。床に倒れたまま、明が顔を上げてこちらを見ていた。他の男たちも息を潜めている。
 沖島が唾を吐いてナイフをポケットにしまった。
 不意に、沖島の拳が顔面にめり込んだ。明のそばに倒れる。
「今度俺のことをなめやがったら、殺すからな」
 床から自分を見上げる祐輔に唾を吐きかけ、沖島が背中を向けた。

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