小説とは(4)
小説は事件を描くものではない。
事件を描くというのが小説の目的ではない。
先日も書いた上の言葉ですが、これは渡辺淳一の言葉です。
小説とは、常識を疑い、その裏にあるどろどろした人間の心理を描くものです。
事件はあくまで人間を描くための舞台や小道具に過ぎません。
ストーリーだけを追うのが、小説ではないのです。
小説とは、主人公がある架空の世界で事件に遭遇する話だと先日書きましたが、その根幹を成すものは、そこに描かれる人間の心理なのです。
これはとても大切なことなので、心に刻んでおいてください。
小説を書き始めたときは、やたらストーリーだけをつらつらと書いてしまうものです。
注意しましょう。